かいじゅうたちのいるところ
2010年 01月 25日
以前も記事にした、かいじゅうたちに会いに行ってきました。
スパイク・ジョーンズは子供向けの映画でなく、
子供時代を描いた映画をつくったとのコメントがありましたが、
これは純粋に子供目線を貫いた映画だったなあと思う。
原作絵本の変に教訓めいてない所が好きでした。
このかいじゅう!っとママにしかられ部屋に閉じ込められたマックス。
するとにょきりにょきりと木が生えだして、ふねが運び込まれて、
1しゅうかんすぎ 2しゅうかんすぎ ひとつき ふたつき ひがたって
1ねんと1にちこうかいすると かいじゅうたちのいるところ
かいじゅうたちの王様となりかいじゅう踊りを楽しむマックス。
かいじゅうたちを眠らせたら寂しくなり、
いいにおいがしてきたので、あたたかいご飯のもとへ帰って行きましたとさ。
っとまあ、これだけの話なんで、これを映画にしたらどうなるんだろう?
と不思議に思ってたのですが、
ほんとに絵本そのままだった(笑)。
映画で膨らませていたのは、マックスくんの家庭環境と、
かいじゅうたちに名前があり個性があり、社会があるところ。
ビジュアル面は期待どおり素晴らしかった!
どこまでも続く砂漠、荒れた海、鬱蒼とした森はダークでいてうっとりする美しさ。
マックスくんは絵本からそのまま飛び出したかのようだし、
怪獣7匹も素晴らしい出来で、
それぞれの個性もわかりやすく愛すべきキャラクター達。
もさもさあるく姿、ダイブする姿のキモ可愛さったら♪
着ぐるみといってもCGで表情を作っている所はやけにリアルで、
ほんとにこんな生き物がいそうに見えたし。
仲間との関係に悩んだりと、楽しくもなんだか切なく映るかいじゅう世界。
以下ネタバレになるので閉じまーす。
キャロルはマックスとよく似ている。
乱暴で自分勝手、でも甘えん坊で寂しがり。
キャロルに自分を観たかどうかはわからないけど、
王様となってもなかなか理想の世界をつくることは出来ずに、
結局自分の世界へともどってしまいます。
そんな感じでこの映画において、マックスくんの成長はあまり観られないし、
何かを達成するような壮大なファンタジーではないので、
ストーリーとしては退屈なんですが(笑)、
でも小さい子(特に男の子)って、
こういう自分なりの想像の世界でいつも遊んでいて、
日々感じている怖さ、楽しさ、残酷さ、かっこよさ、孤独さを描いたら、
こうなったんだろうなあと。
ウチの息子も小さい頃は怪獣大好きで、
大きくなったら怪獣ラドンになると宣言してました(笑)。
3年生になった今、少しは現実的な夢を持つかと思いきや、
今はバンパイアになりたいらしく;(←ダレン・シャンの影響)
娘は現実的で考えていることもわかりやすいんですけどね。
そんな息子と日々過ごしているので、
子供の頭ん中の世界を大切に描いてるこの映画が愛おしく感じられて、
つまらなくても好きなんです(笑)。
そしてこのお話で一番好きなのがラストのご飯が用意してあるシーン。
子供ってどんだけ叱ってもすぐにはわかってくれないんですよね。
しかられて反抗したりしょんぼりするのは一時的な事で、
悲しかな、すぐに忘れてしまうんだな。
このマックス君みたいに、空想の世界に逃げているのでしょう。
こっちは叱ってる時はほんとに腹が立つし、
本気で晩ご飯抜き!と宣言したりもするんだけど、
時間が経つと、結局ご飯をだす、、、、という毎日の繰り返し。
だからラストシーンは、子供に帰る場所があることの大切さと暖かさを感じさせてくれて、なんだか救われる感じがするのです。
一緒に観に行った子供たちもかいじゅう世界を楽しんだ模様。
特にかいじゅうたちが作った砦がかっこよかったらしい。
そしてラストは泣いてました。子供なりに感じる所があったのかな。
うまく説明してくれないからよくわかんないけど(笑)。
そうそう吹替でしたが、かいじゅうたちはいいアフレコ陣だったと思います。
マックス役は子供店長でしたが、コレに関しては正直違和感。
もちろん等身大の子が演じる良さってのはあったけど、
なにせ声が本人と声がかけ離れてるのと、滑舌が悪くて聴きづらかったんだなあ。
ヘタなタレントよりは上手いか(笑)。
by la-panda
| 2010-01-25 01:33
| 映画