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只今pandaに乗れない生活中


by la-panda
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「インファナル・アフェア 終極無間」

「インファナル・アフェア 終極無間」_c0004181_9504153.jpgシリーズ3作目となる完結編なんとか観る事が出来ました。
GW中にもかかわらず劇場にはなんと5人程度。まあ田舎だし3作目だしこんなもんでしょうか(笑)。
だって、、2を観てないとさっぱりわかりませんから、この映画。
すでにファンの域に達してる私には、楽しめましたが、そうでない人にはつまらないでしょう。
そう考えると続編なのにしっかり独自の世界を築いた2.無間序曲ってやっぱり凄いです。

1の後、警官として生きることを決め、警察内に残る自分と同じ内通者達を探し出しては消していくラウ(アンディ・ラウ)。彼が最後に目をつけたのが謎の男、保安部のエリートヨン警視(レオン・ライ)だった。
ヨンの行動を監視していく中、同時にラウの心に生き続けるヤン(トニー・レオン)の存在を自分に同化させていくのだが、、、。
(以下核心には触れてないつもりですが、少しネタばれあり)

現実と妄想、現在と過去の世界が複雑に入り交じる展開は、様々な謎解きがされるとともに、ラウの混乱する頭の中を体感しているようで、なんとも不思議な感覚になります。

そして私が1でいらないと言っていた、精神科医リー(ケリー・チャン)ですが、「インファナル・アフェア 終極無間」_c0004181_9532744.jpgこの精神世界を描く3で大きな役割を果たしていたようです。
リーの前でヤンとラウが並んで椅子に横たわるという、現実にはあり得ないシーンは、
二人の男の対比を表していて、時間を超えたうまい共演だなと思いました。

ただ、リーとヤンの交流シーンは、長すぎて少々くどいので、
もう少しサラッとして流して欲しかったですけどね。
(やっぱり女はいらないってことか/笑)。
というか、今回1では見られなかったヤンの側面を描く事で、多くの笑顔が観れたのは嬉しい反面、あの1の印象のままいてほしかった気もしていて、、、。
ウインクとかされた時には、戸惑ってしまったし(なんでだ/笑)
1のシーンでヤンが署に戻ったときの「終わった〜」って安堵の表情が、
私の中で一番素敵な顔だったんですよね〜。
マフィアの相棒キョンとのやりとりのシーンは微笑ましくてよかったけど。

そんな感じで、物足りない部分もあるけど、私がシリーズ通してこの映画が好きなのは、やはり男くさい世界感が描かれ続けているからで、
1では、警官に生きるヤン、ウォンの姿が、
2では黒社会に生きるハウ、サムの姿が、
そして3ではヨン、シェン(チェン・ダオミン)の謎につつまれながらも何か自身に満ちた表情が、
それぞれにいい雰囲気を出していたと思うんです。
(ヨンとシェンにはもう少し見せ場が欲しかったけど)
その中身は善悪一体だけど、彼等の燐とした姿勢、振る舞い、台詞はとにかく
カッコイイ。そしてそれをスタイリッシュに映す映像もカッコイイ。

彼等は皆それぞれ大事な何かを失いながらも、生きる目的(復讐等も含め)を持ち、
自分の立場にプライドを持ったキャラだったからでしょう。
特に3では警官=正義という誇りやその連帯感が強く出ていて、
とっさの銃撃戦で急所をはずすという行為や、1でもヤンが言い放った
「悪いが、あいにくおれは警官でね」という台詞等がとても印象に残っています。

だからこそこ虚像の警官でしかなかったラウの孤独感が実に虚しく映ります。
真の警官になりたいと思っても時はすでに遅く、、、ヤンに自分を同化させながら壊れていく姿には、同情はせずとも思わず涙してしまいました。
彼の生きざまこそまさに無間道なのですね。
「運命は人を変えるが、人は運命を変えられない」
今回このアンディ・ラウの演技は見どころの一つだったと思います。

ただ長いだけで、うまく感想がまとまりませんが;
とにかく1、2、3ともすべて手法が違うという点では、
今までにないパターンの3部作だし、
ファンを引き付けたという点でも素晴らしいシリーズものだったのではないでしょうか。
一回ではきっと見落としている部分がいっぱいあるだろうから。
DVDがでたら、また順に観て新たな発見を楽しみたいなあと思っています。
「インファナル・アフェア 終極無間」_c0004181_19325259.jpg
監督・撮影:アンドリュー・ラウ
監督・脚本:アラン・マック
脚本:フェリックス・チョン
製作年:2003年(香)

by la-panda | 2005-05-07 10:41 | 映画