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只今pandaに乗れない生活中


by la-panda
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「ネバーランド」


20世紀初頭に誕生した「ピーターパン」という舞台。その誕生のきっかけとなった劇作家とある家族の交流を描いた映画です。

「夢はかなう  信じれば 必ずいける ネバーランド」
ちょっとこっぱずかしいようなコピーのイメージから抱く、「夢はかなうのさ〜♪」的なノリとは違い、痛みや悲しみを乗り越えるための力、その想像力の素晴らしさというものが、静かに&ストレートに響いてくる美しいお話でした。ファンタジーって深いなあ。

<以下ちょっとネタばれ感想>
劇作家パリという人物、映画の宣伝文句では子供好きとか、少年の心を持った〜とありますが、私はちょっと違う印象を持ちました。
ジョニー・デップの深みある表情や演技がそう思わせたのかな。
彼の中にある苦悩の部分も見え隠れするし、無邪気なファンタジー案内人だけには見えなかったです。
映画ではバリの内面部分にあまり深く突っ込んではいないので、彼の本心がわかりにくいし、ちょっと人物像をきれいに描き過ぎてる感じもしたんですが、
これは現実世界では不器用な大人であるバリと、純粋すぎる少年ピーターの、お互いが救いあう友情物語として受け止めました。

例えばこれがユアン・マクレガーなんかだと、いい悪い別にして、かなりイメージが違っただろうなあ。
あっ、それじゃまるで「ビッグ・フィッシュ」ですね。あの能天気ぶりの方が、逆に変人っぽくて面白かったりして(笑)。
ちなみに私は「ビッグ・フィッシュ」のほうが、泣けたんですけどね。

一番好きなシーンは、ピーターパンの公演初日での、客席のシーン。
皆の楽しそうな雰囲気はまるで「ニュー・シネマ・パラダイス」のワンシーンのようです。ここで、子供達をわざと大人の客席の中にバラバラに配置するなんて素晴らしい案でしたね。
子供の素直な反応や笑い声に、次第に引き込まれていく大人達の表情にジーンとさせられました。きっとバリは自分が子供達と体験した事を、観客の大人達にも体験させてあげたかったのでしょうね。

話はそれますが、私は実際毎日ごっこ遊びというのをやらされてる訳ですが、これが結構大変でして;もっと想像力を働かせないとダメかしら(笑)。
子供の頭の中って空白だらけ。だからこそ少ない知識をいろいろ繋ぎ合わしたりして、柔軟性があるんでしょうね。
そういう感性に身近に接することができる今の状況をしっかり楽しんどかなきゃもったいないと思いつつ、日々育児してると、ついつい大人の都合優先で、ルールやしつけばっかりにうるさくなっちゃう自分がいるんですよねえ。
あーあ、大人ってつまんないな(笑)。
なるべくそういう芽をつぶしちゃわないようにしたいですね。

「大きくなったらウルトラマンになる!」とかいってる息子もそのうち「ウルトラマンなんてテレビのお話ジャーン」って言う日がくるんだろうな。
その境目をしかと見届けなくては。
さあて、明日も怪獣ごっこにつきあってやっかな(笑)。


監督:マーク・フォスター
脚本:デヴィット・マギー
キャスト:ジョニー・デップ、フレディ・ハイモア、
ケイト・ウィンスレット、ダスティン・ホフマン
製作年:2004(英、米)
by la-panda | 2005-09-05 23:54 | 映画