只今pandaに乗れない生活中


by la-panda
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

「ブロークン・フラワーズ」(劇場レビュー)

なんとかバイト先も見つかり仕事を始めた所なのですが、とたんに子供達風邪をひいて幼稚園を休んだりして、あぁ働くって大変だ〜と実感している今日この頃であります。。。
というわけで、やっとこさ更新〜。
GWは久しぶりに一人で劇場にて映画鑑賞することができました♪
2005年カンヌでグランプリ受賞したジム・ジャームッシュ監督作品です。

若い頃はモテ男であったが、いまだ独身生活を送っている中年男ドン・ジョンストン(ビル・マーレー)。
コンピューターで一財産稼ぐも、気まま暮らしで家庭を築くことも考えない彼に、現在の恋人シェリーも愛想を尽かし家を出て行ってしまう。
そこへ差出人のわからない一通のピンクの封筒が届く。
  あなたと分かれて20年が経ちました。
  息子はもうすぐ19歳になります。
  あなたの子です。別れた後妊娠に気づいたの。
  彼は二日前、急に旅にでました。
  きっと父親を捜すつもりでしょう、、、、。

詮索好きなお隣のウィンストンのお膳立てで、ドンは過去の恋人達を巡り、
ピンクの手紙の差出人を探す旅にでるのだが、、、。


謎解きのように進むストーリー、登場人物の女性の多さ、ピンクのキーカラーと、
そのどれもが今までジャームッシュの映画にはないものだったので、とても新鮮でした。
でもほんとに色男だったの?ってなビル・マーレー扮する中年男の、
絵になるくたびれぶりは、さすがジャームッシュのセンスです。
似合いすぎのフレッドペリーのジャージ、似合わなさすぎのピンクの花束(笑)、
特にバックに流れるちょっとバタ臭い感じのエチオピアミュージックは、
見事にはまっていましたね。(すでに脳内音楽決定・笑)


その音楽を使いたかったために設定したという、エチオピアの隣人ウィンストンもいいキャラクター。
子だくさんでお節介なこの男はドンとは対照的な性格で、二人の会話のかみ合わなさと、なんでか最後はウインストンに乗せられてるドンに笑わせて貰いました。

そして次々に登場する元カノ達の存在感があっぱれ!
予告も観ずに挑んだので、濃い〜熟女達の登場シーンには、私までドキドキものでした(笑)。




美人という共通点はあれど、それぞれが全く違う個性を持つ昔の恋人達。
20年という月日が生む二人のぎこちない会話は、滑稽でいてなんともスリリングでした。
どこか満たされていない感じを漂わせつつも、
前を向いて自分の力で生きている彼女達にとって、
過去の世界と向き合っているドンが、魅力的に映ることはなかったのでしょうね。
でも情けなさ哀愁感を伴いながら、最後まで過去と向き合おうとした男に、
私はエールを送りたくなりました。

ラスト、必死に息子の陰を追いかけ走る姿が、とても印象にのこります。
何事にも覇気が感じられず、ただ老いていた男の何かが変わったことを感じて、
なんだか熱くなりました。
結局手紙が誰からか、息子は存在するのか解らないままなんだけど、
"過去にすがるより、今どう生きるのか"を気づかせてくれた、誰かからの贈り物ととると、
ミステリーというよりファンタジックな風にもとれますね。
もう一度、オープニングの手紙が送られてくるシーン観たくなりました。

こんな風に一人の男の人生を、滑稽にも暖かい視線で描くジャームッシュの映画って、やっぱり好きだなあ。
同じ息子捜しのテーマで、ウェンダースも撮っているので、そちらともぜひ見比べてみたいです。
しかし、どちらの監督も好きじゃない人にとっては、さぞかしねむ〜い映画でしょうね(笑)。

脚本・監督:ジム・ジャームッシュ
キャスト:ビル・マーレイ、ジェフリー・ライト、ジュリー・デルピー、
シャロン・ストーン、フランセス・コンロイ、ジェシカ・ラング、ティルダ・スウィントン
製作年:2005年(米・仏)
[PR]
by la-panda | 2006-05-11 02:59 | 映画