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只今pandaに乗れない生活中


by la-panda
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「カーズ」吹替版 (劇場レビュー)


カーズ(吹き替え版)を観に行ってきました!
(以下久々の映画感想故、長文です;)
大好きなピクサー作品というだけで物凄い期待をしてしまう私。
本屋さんにもカーズ関連の本が数多く置かれていますが一切開かず、
内容もチェックしないまま映画館に挑みました。
なので監督が「トイ・ストーリー2」ジョン・ラセター監督ということさえ後で知りました(笑)。

車の擬人化というアニメはよくあるし、絵から想像するにかなり子供向きな作品かなと思っていたんですが、
ふたを開けてみたら、最新のかっこ良さノスタルジックな世界が共存した、むしろ大人が喜ぶ映画だったと言えるかもしれません。
車に関する小ネタも満載だし、もう申し訳ないけど子供以上に大笑いさせて貰いましたよ。
いやもう、やっぱりピクサー最高!

自己中で自信過剰なルーキーのライトニングマックイーンは、ピストンカップ初の新人王者を期待されていたが、タイヤトラブルでライバルと同着一位という結果に終わる。
改めて一週間後カリフォルニアで決着をつけることになったマックイーンは、トレーラーにのりこみカリフォルニアへ向かったが、
途中のアクシデントにより、高速から離れたルート66沿いのラジエータースプリングスという街に迷い込んでしまう。。。


この映画には人は全く出てきません。そこらに飛んでる虫さえ車という徹底した世界観(笑)。
車と人間との関わり合いでなく、キャラを人間に置き換えても立派に成立する、友情を通した若者の成長物語なんですね。
でもそこをただの友情物語には終わらせないところが、さすが「トイ・ストーリー2」の監督さんであります。(以下はネタバレ感想にて)

意外にも車のデザインは本物にかなり忠実でした。
愛らしい顔は描いてあるけど、そのキャラの性格や感情はあくまでも車の動きで表現してある所にこだわりが感じられます。
車愛に溢れているというか、相当な車好き集団が作ったんだろうなあ。
そしてそのキャラクター作りも、「ああ、この車に乗ってる人ってこんなだよなあ」って想像できるとおりで、また笑えるんですよねえ。

ただマニアックというわけでもないですが、車に思い入れがあるかないかでは満足度に少々差があるかもしれないです。
私と旦那を比較しても、車好きの旦那は私の5倍は笑ってて、
帰ってから説明されて解ったニヤリシーンもいっぱいありましたから。
(ああ、くやし〜っ)
とはいってもうちの子供達は2時間という上映時間、ずっと釘づけで楽しんでくれました。
子供から大人まで楽しめる作品作りを!ということにはほんと毎度手を抜いていないですね。
そうそうサントラもよかったですよ〜。
オープニングからしてシェリル・クロウなんて、これ以上ぴったりな曲は無いんじゃないでしょうか。


私的お気に入りのキャラはフェラーリ命の(笑)タイヤ売りルイジ(右)。
PANDA乗りとしてはやはりチンクへの思い入れは強くなるってなもんです。
たまにイタリア語でしゃべってましたが、この吹き替えはNHKでもおなじみジローラモなんですよ。う〜んベストチョイス!
ちなみに字幕版主人公の声は、ウェス・アンダーソン映画でおなじみオーウェン・ウィルソンなんだそうで。
あとポール・ニューマン演じるドック(左)はもう似合いすぎのキャラ!
これらはDVDが出るまでのお楽しみにしたいと思います(あとゲストのシューマッハも!笑)。




以下ネタバレ感想です

この映画に登場するルート66沿のラジエータースプリングスという街は、高速道路の建設によりゴーストタウン化した実在の街がモデルになっているんだそうです。
ノスタルジックな雰囲気や、自然の美しさ、そして徐々に活気を取り戻していく光景は観ていてとても暖かい気持ちにさせてくれたのですが、
同時に、便利さばかり追求され、街の景観もどんどん失われているというのは日本のどこにでもある話だけに、これでいいのかな?といろいろ考えさせられるところもありました。

「ALWAYS 三丁目の夕日」も、古き良き日本のノスタルジックな雰囲気を再現していて、なかなか良い映画でしたが、これは結局「あの時代はよかったなあ」というだけに終わっていた気がしたのに対し、
このカーズは同じ古きよきアメリカを讃美していても、
あくまでも今の時代を一生懸命生きる若造が主人公(車だけど・笑)というのが、とても共感できて、胸をあつくさせてくれるものがありましたね。

思わず泣いてしまった台詞が「車は昔は皆楽しみながら走ってたのよ」というサリーの言葉。ああ、なんて素敵な言葉なんでしょう。
私の乗ってる車PANDAはもうかなりなへっぽこですが、まさに、そこらの景色を楽しみながら走る車だと思っています。
この車が壊れて次に何に乗ろうかと思っても、これを引き継ぐ車が思い浮かばないくらい。
古い車にのるのは環境的にも悪いとされる時代になってきましたが、こういうスローライフな気持ちを味わえる車としてはやはり貴重だなあと改めて感じたのでした。
あれ?結局PANDA自慢でおわったのかよ!って突っ込みがはいりそうですが(笑)、
とにかく楽しい映画だったということで終わりたいと思います。

監督・脚本:ジョン・ラセター
音楽:ランディ・ニューマン
吹替;土田 大、戸田恵子、山口智充
製作年:2006(米)
by la-panda | 2006-07-10 00:29 | 映画