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只今pandaに乗れない生活中


by la-panda
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ゲキ×シネ 『蛮幽鬼』

劇団☆新幹線の舞台を映像化した、ゲキ×シネ 『蛮幽鬼』
観に行ってきました。ゲキ×シネ 『蛮幽鬼』_c0004181_11104865.jpg
デジタルシネマ上映の為、近場でやってないとわかった時は諦めモードでしたが、
どうしても観たくなりまして。

だって堺雅人さんが殺人鬼の役!
それも笑顔でばっさばっさと人を殺す、な〜んて聞いたら、
黒雅人萌えな者としては観ずにはいられず。

しかしこれははるばる観に行って良かった!
堺さんの怪演はもちろんのこと、
劇団☆新幹線の舞台が、今最もチケット入手が困難な
プレミアチケットであるかがよくわかる、
本当に素晴らしい舞台!
しかもゲキ×シネはそれを17台のカメラによって、
臨場感溢れる舞台をスクリーンに再現!
生の舞台にかなわずとも、
役者陣の魂の入った演技、
アクションシーンの迫力や独特のユーモアも体験でき、
泣いて笑って3時間半があっという間の
最高のエンターテイメントを堪能いたしました。

舞台は遠い昔、島国・鳳来の国
仲間に裏切られ、無実の罪で10年間監獄島に幽閉されていた伊達土門(上川隆也)は、同じく監獄されていたサジと名乗る男(堺雅人)の手助けを経て、脱獄に成功する。
復讐の鬼と化した土門の運命は。。。


これがTheいのうえ歌舞伎なんですね〜
エンターテイメントにこだわった、壮大でケレン味たっぷりな時代劇。
でも完全に異空間のその世界で
描かれるは、やはり誰もが共感できる人間ドラマでした。

復讐の連鎖が起こす悲劇ではあれ、
友情、愛情、信頼、裏切り、
魅力的な登場人物達とその関係性の丁寧な描き方に感動しきり。

復讐だけでつながる土門サジの関係。
サジと同じく暗殺者として育てられた刀衣の生き方とサジの生き方の違い。
そしてかつては愛し合った二人、土門美古都の対決。。。

ゲキ×シネ 『蛮幽鬼』_c0004181_1231652.jpg主役の上川隆也さんカッコ良かったですねえ〜中でも一番人間的で誠実な男だけに、
運命に翻弄されていく姿は痛々しく、物悲しい。
そんな土門の揺れ動く気持ち、見事に表現してらっしゃいました。
殺人スタイルもそんな感情がこもってるように見えるんですよね。
ラストは鳥肌ものでございました。

さてそんな土門に復讐をあおりながら、それを利用していたサジ
はい、ここから長いですよ〜(笑)

まずは登場するなり笑いを取るサジ。ゲキ×シネ 『蛮幽鬼』_c0004181_1227726.jpg
仮面をとり現れたのはどう見ても強そうじゃない、
ニタニタヘラヘラ顔の小柄男。
自分のこと僕って言ってるし、
牢獄から開放されるやいなや、ストレッチしてるし。
こんなさわやかな顔をして殺人鬼?みたいな事を土門(上川さん)にいわれ、
会場爆笑。これ堺ネタとでもいうのかしら。

でもすでにここから堺さんのトリッキーな芝居は始まっていたのです。
終始満面の笑みのサジだけど、
どこか仮面のようにも見える異様なほどの笑顔は
過去最高に気持ち悪く(←もちろん褒め言葉/笑)、
甲高い声で常に人を見下してる感な喋り方に心は無い。
彼にも心の闇があることは後にわかるのだけど、
決して最期までそれを見せる事無く、
あくまで殺人が、人を落とす事が、
楽しくて楽しくてしょうがないの無邪気な笑顔を魅せ続ける。
だから冷血な殺人鬼というイメージとも違うんだなあ。

まあそんな感じで、とにかくいっちゃってるね、この人、、、
的なオーラは漂ってるもんだから、
そう思わせれば、あとは何をしようがそこはサジだから、な説得力あり。
とにかく強いんだみたいな説得力も有り(笑)。

笑顔での殺陣シーンなんかまさにそれで、
堺さんは今まで殺陣をあまりやった事無いらしいけど、
凄い立ち回りにみえてしまうのですよ、これが!!!
もちろん圧倒的に他の役者陣の方がうまいのは素人の私でもわかるんだけど(笑)、
無駄なく少ない動きで相手をひらひらかわし、
道具がなんであれ、片手ひとつきで相手を殺すという殺陣スタイルが、
どこか相手を小馬鹿にしてる感じもでてて、サジらしいかっこよさが出てました。
怪しい笑顔の中に、
ときおり目を見開く表情なんかもあって、それがまた怖いんだなあ。

特に印象的だったのが、宮中に忍び込み、
大王、右大臣それぞれと対話するシーン。
静かなシーンながらも、両者とも引き込まれる演技でゾクゾクさせられました。

結局心のうちを知る事のできないサジという人物については、
いろんな見方があると思うけど、
土門への友情という気持ちは確かにあったと私は思いたい。
少なくともそうであれば彼の最期は救われるのでないだろうかと。
まっサジが美談になったら面白くないけどね。

や〜、しかしこんな堺さんを観られて感激ですよ〜〜〜。
もっともっと、こういう怪しい役を彼にやらせてください!(誰にいってる?)
もう真面目&いい人役では物足りなくなってる自分がいます(笑)

さて、豪華役者陣の共演だけに、どうしても触れておきたい人物達は他にもいっぱいなんですが、
まずは刀衣の早乙女太一さんゲキ×シネ 『蛮幽鬼』_c0004181_1122756.jpg
まずは女形でのご登場でしたが、あの色気!なんなんすか、あれ。
マジでお美しい〜あれ世の女優が嫉妬しますよ(笑)
そして、なんですか、あの踊ってるかのような殺陣は!
それでいてしっかり地に足の着いた魅せるアクション。
早乙女さんの立ち回りは本当にすばらしかったです。
まだ10代だなんて、恐ろしい。
この人と対決シーンなんて堺さん、さぞかしご苦労されたかと。。。(笑)
だけどそこはキャラの違いがあったので、心配なく見ごたえある対決となってました。

そして稀道活役橋本じゅんさんとその息子稀浮名役山内圭哉さんゲキ×シネ 『蛮幽鬼』_c0004181_1124191.jpg
ちょうど噂の男を観たあとだっただけに、ついつい二人を追っかけて観てましたが、
卑怯者らしく愛おしきキャラクターでさすがでした。
この人達でてくるとなんだか安心感をえられるのはなんなんでしょう。
迫力の演技はもちろんのこと、
会場を一体化するコール&レスポンンスといい、
アドリブで笑いネタを入れるスマートさといい、
壮大で濃厚なストーリーの中に、ホッとする笑いを沢山いれてくれて楽しかった〜。

橋本じゅんさんは、
最近主演の舞台を体調不良により降板という辛いニュースが飛び込んできたばかりですが、
しっかり回復されて、また復活してほしいですね。

なかなか舞台を見に行けない地方者にはありがたいこのゲキ×シネ
できればもっと上映館増やして欲しいなあ。
ちなみに観に行ったのは長岡ですが、
観た回は私含めて3人だけでした、ああもったいない(笑)。
by la-panda | 2010-10-31 12:39 | 映画