ライフ・アクアティック
2006年 01月 27日
ライフ・アクアティック、なんとも奇妙で不思議な世界を体験させてもらいました。
劇中は大まじめにやってる海底冒険劇でありながら、
徹底的に作り物臭く描く世界はまるでファンタジックなSFコメディ。
このウェス・アンダーソンという監督さんの映画は初めて観たのですが、かなり個性強いですね〜。
有名な海洋探検家であり、そのドキュメンタリー映画も撮る、映画監督スティーブ・ズィズー(ビル・マーレイ)は、ここ10年ヒットにも恵まれず、資金もない状況に陥っていた。
しかし前回、ジャガーザメにおそわれてしまった仲間の敵討ちをするため、またチームと共に新たな航海の旅にでることを決心する。そこへズィズーの息子?と名乗る青年が現れて。。。
終始ダルダルな展開に、ユルユルな笑い、それでも最後までこの映画に惹きつけられたのは、細部までこだわって造られたインチキ臭い世界を楽しめたからでした。
例えば、
こだわりその1 船を断面に切ったような巨大セット
ドリフの全員集合に出てくるセットのような(ああ、なつかし〜)感じのものかな。これがもう観てるだけで楽しくて。
もっとこのセットを使って、クルー達それぞれの生活ぶりを同時進行でみせてくれたら、笑えたんじゃないかなあ。
その2 ファンタジックな海洋生物
出てくる海洋生物たちはすべてアニメーションで描かれてるところが潔いというか、逆に神秘的でしたね。ラストに登場するジャガーザメは見所かと。
ちなみにこれらは「ナイト・メアー・ビフォー・クリスマス」の監督さんが手掛けたものらしいです。 こんな生物→
その3 クルーの一員によるギター弾き語りシーン
場面転換する時にお約束で入る、弾き語りのシーンがとってもポップでかっこいい!
で、なんだか聴いたことある曲だなあと思ったら、70年代デビット・ボウイのポルトガル語によるカバーでした。
ちなみにこのシンガー、「シティ・オブ・ゴッド」にも出演してた人です。
その4 あれこれ、こだわりの小道具達
クルーおそろいのユニホーム、赤い帽子、チームの絆を印象づけるような小物が多く登場して、その色遣いが印象的でした。
靴はなんとアディダスのオリジナルなんですよ。これほし〜。
その5 あたらないへなちょこ銃撃戦
いや、実際あたった人もいるんですが、ビル・マーレイの拳銃は何発入ってたんだろう?というくらい、パンパンやってて(笑)、そのありえなさが可笑しかった〜。
その6 意外に大物俳優
こんなへなちょこ映画に(失礼;)結構大物俳優が出てるってのが可笑しい。
「アダムス・ファミリー」のお母ちゃん大好き!
あとウィレム・デフォーの小者ぶりもかわいかった。
といろいろ書きましたが、見所はこういう凝ったディティールだけじゃなくて、大きなテーマである家族の形、それが何なのかを考えさせられることろにもあったと思います。
言葉なく静かに描くラストシーンには、ジーンとくるものがありました。
正直この映画、ストーリーはかなり中途半端な描き方してるので、人にお勧めがしにくいのですが、私はとても気に入りました。
胡散臭いといえば、昔あった川口探検隊シリーズ(古っ)、子供の頃はワクワクして観てたただけに、当時やらせのニュースはショックだったなあ。
でも今観たら、きっと別の意味で楽しめるんでしょうね。
ちなみにチームズィズーの冒険にはやらせのシーンはありませんので。一応(笑)。
監督・脚本:ウェス・アンダーソン
キャスト :ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、ケイト・ブランシェット、アンジェリカ・ヒューストン、ウィレム・デフォー
製作年:2004年(米)
by la-panda
| 2006-01-27 14:25
| 映画