只今pandaに乗れない生活中


by la-panda
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「クラッシュ」

今年のアカデミー賞作品賞を受賞した映画です。
だからという訳でもないんだけど、もともと群像劇大好きな私がこれを見逃すわけにはいきませんっ。
交通事故から始まる、LAに住む人々の数々のエピソード、それが次第に絡み合っていくというストーリー。
少々強引なようだけど、ロスでは車移動がほとんどなので、人との関わりはじめとしては象徴的な形なのかもしれないですね。
様々なエピソードが混乱することなく、そしてそのどれもが強く心に残るという印象的な映画でした。

LAの高速道路で刑事のグラハムとその相棒のリアは交通事故に巻き込まれてしまう。
その事故現場の近くで、グラハムは偶然黒人男性の遺体を発見。
しかしその遺体は、、、映画はその一日前にさかのぼる。


この映画を観て、ふとボーリング・フォー・コロンバインのことを思い出しました。
何故銃がなくならないのか?を真剣に考えながら観たムーアのドキュメンタリー、
アメリカの現状を観ながらも、やはり銃社会を理解できないところがありました。
でもこの映画は理屈じゃなく、人と人が衝突するときに起こる感情の面で、
銃に頼らざるを得なくなる気持ちが少しわかる気がしたんです。
前半に断片的に描かれたそれぞれのエピソードは、とにかく見ていて痛々しい。
その衝突も、差別偏見から来ているだけに根が深いわけだけど、
それぞれの人が抱える日々の苛達、それがたやすく人に向けられてしまうという恐怖を、常に抱えながら生活しているのが感じられて、
これでは銃が無くなることはあり得ないかもとさえ思いましたね。

だたこの映画ではさらにもっと身近な家族や夫婦関係での衝突も描かれいます。
ほんのささいな一言と思われるような言葉が、人を大きく傷つけたり。。。

銃の問題はさておき、結局人は日々のストレスのはけ口を、他人にぶつけ合わずには生きていけないというのは、自分の日常でも反省させられることで、
他人事ではなくとても考えされられました。


そんな中、いくつかのエピソードは奇跡的な展開を見せます。
そのエピソードの見せ方がこの映画のすごいところ。
前半を観ていて感じていたことが、後半覆えされるのです。
断片的だったエピソードが収束していくうちに見せる、美しいシーンと残酷なシーン(ここの音楽の使い方も印象的!)
一方的にもつ偏見の怖さというのを自分の中にも見た気がして、見事にやられました。
特に警官二人の対照的な描き方がまさがあんなことになろうとは、、、
マット・ディロン熱演の、手に汗握るシーンには、観ていてマジ動けなくなりましたよ。

素敵なエピソードとして忘れられないのが二組の父娘を描いた話。
このエピソードの交わり方、伏線の張り方等、見事な脚本でした。
負の感情の連鎖がストップする奇跡の瞬間、、、
この話があってほんと救われました〜。

テーマが重いだけに、決して後味が良いわけではないし、観た後複雑な感情も残りましたが、
それぞれの人物を平等に多面的に描いていたのは、
登場人物それぞれを愛おしいと思わせてくれたし、
人を傷つけ傷つけられても、それでも人のふれあいにはいろんな可能性や希望もあるんだよなあと感じることが出来てよかったなあと。

観て一週間経った今も深い余韻を残す、なかなか良い映画でありました。

監督・脚本:ポールハギス
キャスト: マット・ディロン、ドン・チードル、サンドラ・ブロック、ブレンダンフレイザー、ウィリアム・フィクトナー
製作年:2004年(米)
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by la-panda | 2006-09-03 23:53 | 映画