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只今pandaに乗れない生活中


by la-panda
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「グッバイ、レーニン!」

まだチマチマ書いてる昨年度公開作品、勝手にベスト5の続きです。「グッバイ、レーニン!」_c0004181_2031467.jpgこれはベルリンの壁崩壊後のある家族のお話。
ストーリーのアイデアの面白さと、旧東ドイツのトラバントという車見たさに観た映画でした。(車の話は後ほど)

統一前の東ドイツ。主人公アレックスの父は彼が小さい頃に西に亡命、母はその反動で社会主義に忠誠を尽くしている。
ある日アレックスが反体制デモで捕まったため、母はショックで昏睡状態に。
そしてその後ベルリンの壁崩壊という歴史的変革が!
8か月後に奇跡的に回復した母だったが、「大きなショックを与えれば、今度こそ死に関わるかもしれない」と医者に言われたアレックスは、東西統一の事実を母に隠す事にする。あれこれと芝居をし、さらにはウソのテレビ番組まで作成するのだが、、、。

東西統一という劇的な環境の変化に翻弄される人々を、コミカルに、そして暖かく描いていました。
この家庭内でも母のため東の物を掻き集めるアレックスと、すぐに西に染まっていく姉(バーガーショップで働いたり)との対比が面白いです。
西の人間も登場します。共にウソのニュース番組を製作する友人がそれで、東の人とペースが違い、とにかく自分のプロ根性を芽生えさせていくところが可笑しい。

ただ母を守りたいという息子の気持ちとそれに答える母に、じんわりと感動。
と同時に本当の理想社会とは何かを考えさせられたりして、何か切ない気持ちも残りました。でも当時の東ドイツの人々がどんな状況だったのかを垣間みるというだけでも、価値ある映画だと思います。
それとレーニン像釣り下げシーンの映像が、凄い迫力で圧巻でした。あれは映画館でみたかったなあ。

製作: シュテファン・アーント
監督: ヴォルフガング・ベッカー
音楽: ヤン・ティルセン
出演 :ダニエル・ブリュール 、カトリーン・ザース 、マリア・ジモン

この映画の公式ページ(東ドイツのトリビア)がなかなか面白いです。コチラ

で最後にトラバントという車について少し。
これは旧東ドイツの象徴とされる国民車の事です。ベルリンの壁崩壊時のニュース映像でも、その存在が印象的だったのですが、U2のZOOTVツアーのステージや、ONEというビデオクリップにでてきた事もあり、より興味を持ちました。この四角いデザインが今なんだかとても新鮮なんですよね。
鉄の入手が困難だった事情から、このボディはプラスチック&段ボール紙で作られていたというからびっくり!。修理だけでも半年、注文してから納車までは10年もかかったというからまたびっくり!。当時の状況が伺えますね。
さすがに今ではあまり見られなくなったそうですが(91年まで製造)、ベルリンでは近年このトラバントに乗って周るツアーが人気なのだそうです。
映画の中では期待どおり街中にいっぱい走ってますし、回復後の母とドライブへいく時にも登場します。
水色のトラバントに家族すしづめで乗るのですが、これが可愛くて、なんとも微笑ましいシーンでした。
「グッバイ、レーニン!」_c0004181_20114638.jpg「グッバイ、レーニン!」_c0004181_20112476.jpg
写真:左は映画に登場するトラバント、右は私のミニカー達。
by la-panda | 2005-01-31 21:55 | 映画